足部横アーチについて
足部横アーチについて
足部横アーチの役割
横アーチの役割は、荷重の衝撃緩衝作用である。
足部横アーチの種類
横アーチには、中足部と前足部に分けられる。
中足部では、内側・中間・外側楔状骨が楔間関節と楔立方関節を形成し、中間楔状骨が頂点となる。
支持する靭帯は、背側楔間靭帯、背側楔立方靭帯、底側楔間靭帯、底側楔立方靭帯、骨間楔間靭帯、骨間楔立方靭帯がある。
筋肉は、前脛骨筋、後脛骨筋、長腓骨筋がある。
前足部では、第1〜5中足骨頭がアーチを形成し、第2中足骨が頂点となる。
支持する靭帯としては、背側中根中足靱帯、底側足根中足靱帯、骨間楔中足靱帯および深層中足靱帯がある。筋肉は、前脛骨筋、後脛骨筋、長腓骨筋、母趾内転筋横頭がある。足底腱膜も足部横アーチの安定化に寄与する。
”足部・足関節 理学療法マネジメント 機能障害の原因を探るための離床思考を紐解く P156” 引用
足部横アーチ低下の原因について
足部横アーチの低下は臨床的には開帳足と呼ばれることが多く、歩行時やヒールレイズなどの前足部への荷重時に第2,3中足骨に疼痛が生じる症例が非常に多くなっている。
横アーチの低下の原因としては、第1リスフラン関節内転、内外側縦アーチ支持筋機能低下、足部内在筋機能低下、足趾機能の低下などがある。
・第1リスフラン関節の内転
第1中足骨の内転による前足部の開帳が横アーチの低下を招く。
治療としては、楔舟関節や第1リスフラン関節の可動性改善が必要となる。
・内外側縦アーチ支持筋の機能低下
横アーチを支持する筋機能としては、内外側縦アーチ支持筋である後脛骨筋や長腓骨筋のトレーニングによって横アーチの向上を図ることが重要となる。
・足部内在筋機能低下
前足部横アーチ向上を目的とした虫様筋などの足部内在筋の活性化も重要となり、MP関節の屈曲運動がある。
・足趾機能の低下
外反母趾や内反小趾などのアライメント異常などは横アーチの低下に影響しやすい。
また、足趾筋として母趾外転筋、母趾内転筋、小趾外転筋などがある。
上記の機能低下に対して治療を行うとともに、中足骨パッドをインソールに挿入するなど補装具の使用も考慮することが非常に重要となる。