内側縦アーチの支持機構について
内側縦アーチの支持機構について
踵骨、距骨、舟状骨、3個の楔状骨、第1〜3中足骨からなり、距骨下関節、距舟関節、リスフラン関節を構成する。内側縦アーチは、外側アーチよりも高く、頂点は舟状骨となる。
静的支持機構
参考文献:laquinto JM,et al:Computational model of the lower leg and foot/ankle complex:application to arch stability.
内側縦アーチの静的支持機構として主に底側踵舟靭帯、長・短足底靭帯、足底腱膜の3つがある。各組織の内側縦アーチ寄与率は、底側踵舟靭帯(8.0%)、長・短足底靭帯(12.5%)、足底腱膜(79.5%)となっており、静的支持機構としては足底腱膜がほとんどの割合を占めている。
動的支持機構
足部アーチは足部内在筋や外在筋によって動的に支持されている。その中で最も重要な筋は後脛骨筋となっている。
起始:脛骨後内側、下腿骨間膜、腓骨で下腿遠位1/3から腱に移行する
停止:舟状骨粗面、楔状骨、第2、3、4中足骨
歩行時は、立脚初期と推進期に二峰性の活動パターンを示す。
立脚初期では、踵接地後に生じる距骨下関節の外がえし運動を、内がえしモーメントアームの最も大きい後脛骨筋が制動するために起こるとされる。
推進期では、距骨下関節を内がえしさせ、ショパール関節をロックすることで、足部の剛性を高め、力の伝達効率を高めることに寄与している。
参考文献:Akuzawa H,et al:Calf muscle activity alteration with foot orthoses insertion during walking measured by fine-wire electromyography.
後脛骨筋の機能不全は、足部機能に大きな影響を引き起こす。後脛骨筋の機能には、後脛骨筋腱の状態が大きく影響している。後脛骨筋腱は屈筋支帯に支持されながら足根管内を走行し、内果後方では平坦化する。この部分は、線維軟骨が豊富であるが、血流に乏しい特徴をもつ。さらに、後脛骨筋腱は、内果後方からほぼ直角に角度を変えて舟状骨に向かって走行する。この血流の乏しさと急峻な腱走行角度の変化が、腱の退行性編成に関わるとされている。退行変性が生じることにより、後脛骨筋の緊張力を正常に伝達できなくなり、足部アーチ保持機能を果たすことができなくなる。
参考文献:Trnka HJ:Dysfunction of the tendon of tibialis posterior