ゆーなかブログ

理学療法士1年目になります。ブログを通じてインプットした知識をアウトプットしていきたいと思います!

BUN /クレアチニン比について

BUN(尿素窒素)とクレアチニンの比について

 

BUN(尿素窒素) 基準値8〜21mg/dl

蛋白質がアミノ酸に代謝分解されるとアンモニア(NH3)が産生される。アンモニアは人体にとって毒性が強いため、肝臓で尿素に再構成される。その尿素は腎臓を介して排泄される。その尿素の測定には、尿素に含まれている窒素量で表すため尿素窒素(BUN)となる。

この尿素窒素(BUN)は、腎不全などの腎臓障害で高値となるほか、腎臓障害にも高値となることがある。

例えば、脱水や心不全などの循環血液量の低下によって腎血流量が低下し、尿量が低下することで血液中の尿素窒素は排出できないようになる。排出できなければ、血液中の尿素窒素(BUN)は高値となる。多尿時には低下する。

また、蛋白質の摂取量にも依存する。蛋白質の摂取量が多ければ、数値は上昇し、菜食主義者などの摂取量が少なければ数値は低下する。

このようにGFR(糸球体濾過率)以外の要素も数値の変動に関わるため、クレアチニンよりも腎機能の指標としては信頼度が低くなっている。

 

クレアチニン 基準値 男1.2mg/dl以下 女1.0mg/dl以下

クレアチニン95%は筋肉内に存在している。そして、腎糸球体で100%濾過されたのち、ほとんど再吸収されずに尿へと排泄される。健康成人での体内クレアチニン量は100〜120gであり、約1%が毎日代謝される。すなわち役1000mgがクレアチニンとして尿中に排泄されていることになる。クレアチニン産生量は、各人の筋肉量に依存しているため、筋肉量の少ない女性、子供、高齢者や四肢切断者、筋萎縮患者では低値となる。

血清クレアチニン値はBUNに比べ変動が少ないため腎機能の指標として用いられるが、体格(筋肉量)による差が出やすいこと、また初期の腎機能障害を検出しやすいという欠点がある。

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 BUN /クレアチニン比

糸球体で濾過された尿素は、その後40〜60%が尿細管において再吸収される。特に脱水症や心不全などの腎血流量が低下した状態では、尿細管内での尿の流れが遅く、バソプレシン(ADH)の分泌が亢進している。このような病態では尿細管から尿素窒素の再吸収の割合が増加し、クレアチニンに対してBUNの値が高くなる

 

BUN /クレアチニン比>10〜20の場合

・循環血液量の減少

 脱水症、心不全、利尿薬

・尿素窒素産生の亢進

 高蛋白食、アミノ酸輸液、消化管出血、蛋白異化亢進

 

BUN /クレアチニン比<10の場合

循環血液量の増加(妊娠)、多尿(尿崩症)、底蛋白食、重症肝不全など